今、集団のもつ意味とは
1軒の家において、 赤ちゃんからお年寄りまで、さまざまな年齢 層の人間が交じり合った大家族が普通だった時代、町のなかにも子どもはあふれ、子どもは兄弟姉妹や周囲にいるさまざまな年齢 の子どもたち、大人たちと自然にかかわりながら育っていきました。
そういう時代の保育園の存在には、その手厚いとはいい難い雑多な社会環境から「保育に欠ける子どもを一時隔離して保育する」というような意味合いがありました。
でも今はご存じのとおりの少子社会です。
兄弟姉妹はいないあるいはいても数が少なく、 家庭は核家族。
こういった状況のなかで、場合によっては、親子ともどもを社会から隔離する結果につながってしまう場合もあるのです。
それは多くの子どもにとっても、親にとっても、望ましい環境と はいえません。だからこそ今、園は子どもたちが集団で過ごし、集団から学び、育っていくことのできる重要な場所であるという大きな意味を認識し、もっともっと社会化していかなくてはならな いのです。
参考文献:MIMAMORU見守る保育 藤森平司著