3歳だからできない、 5歳ならできるという考え方は、男は力がある ので重い物を持ち、女は力が弱いから軽い物を持つという考え方と 同様ですし、3歳から5歳まで同じことをさせるのは、男と女は平等だ から同じ物を持つべきだという考え方です。そうではなく、力のある 人が重いバケツを持てばいい。
男だから持つのではなく、女だけれど頑張って持つのでもなく、男でも女でも、力のあるほうが持てばいい。 そして持てない人はほかの場面で力を発揮すればいい。
それは、男女差や年齢差だけでなく、個人差についてもいえることです。
そのようにして子どもたちには、ひとりひとりの「違い」を自然に理解し、学び、育ち合ってほしいのです。
だからといってすべてを異発達 (異年齢)のグループ分けにすればよいというわけではありません。
子どもの発達を促すためには、 個別に指導をすることもありますし、子どもの興味や関心に応じたグ ループをつくることや、発達や物事の習熟度によって分ける場合もあ るでしょう。
藤森平司先生が園長を務める新宿せいがこども園では、0・1歳児、2歳児クラスは、発達によって子どもを見ます。 3・4・5歳児クラスは、あそびや活動によっ て、自発的に集団をつくります。 グループづくりが容易で、活動の融 通もきく、そういう自発的な集団をつくりやすくするために、3・4・5歳 児は一緒のクラスにいるのです。
参考文献:MIMAMORU見守る保育:藤森平司著