環境構成

大事なのは「子どもと子ども」

 子どもは、「大人と子ども」という関係のなかでだけ発達するので 何かを教えるよりも、ほかの子どもを見て、まねて、教え合い、学び合うように、子ども同士のふれあいが、子どもの脳 (特に前頭葉)を活性化させ、発達を大きく促すのだということもわかってきました。 

子どもたちをうまく動かし、まとめ、導いているように見える 保育者が、実はひとりでそこで演じているだけで、子どもたちは何もしていない、ということが少なからずあります。 

わたしたちが、教えたり、導いたり、やらせたりするのではなく、子どもが主役になって主体的に動き、子ども自身が活動していく保育を目指さなければなりません。

子どもたちの自主的な活動を支える基本となるのは、保育者がひとりひとりの子どもの発達の状況をきちんと把握し、 その発達に合った環境を用意することです。 

そのために、あるときは、ひとりの子ども に丁寧にかかわる必要もあるでしょう。

 一緒にあそぶことも、あそび のモデルを示すことも大事です。

 でも、そうするなかで子ども同士があそび始めたら、大人はその場 からそっと離れるべきです。直接かかわることから、子どもたちの活 動を見守るかかわりに変えるのです。

子どもに密着していては、狭い範囲しか見ることができないからです。

 そして子どもが送ってくるサインを見逃さず、必要があればそこへ行きます。 

保育者の仕事は、子どもに情報を伝達することではなく、子どもがいつも自分で選択できるような環境を用意し、子どもの活動を見守っていることなのです。