見守る保育とは?

情緒の安定

情緒の安定 

「子どもたちが落ち着かない」という話を、あちこちの園で耳にしま す。

 少しもじっとしていないしうるさい。 

でも、はたしてそういう子どもたちはみんな「情緒が安定していない」のでしょうか。 

トラブルを起こさず、いつも黙々とひとり静かにひとつのことをやっている子どもを、単純に「情緒が安定した子ども」といい切っていいのでしょう か。

 情緒が安定している子どもというのは、友達と夢中になってあそび、いきいきと活動している子どもです。

 必要な発達を遂げた子どもです。

 楽しいときに は楽しい声を出し、悲しいときには泣き、 自分の気持ちを安心して外 に表すことのできる子どものことなのです。

 一方、情緒が安定していない子どもは自分に自信がなく、そのため積極的に人とかかわったり、さまざまな体験をしていくということが できません。

となれば当然、 人と人との関係のなかから生まれる自発性や主体性といったものに乏しく、それを育てることはとても困難です。 そして自発性、 主体性が希薄なまま成長すれば、その先にある教育や、社会のなかで生きていく子どもの人生はさらに困難なものになってしまうでしょう。 

まず、保育者は子どもとの信頼関係のなかで、 子どもの情緒を安定させていかなければなりません。 

子どもの情緒の安定のうえに、はじめて人とのかかわりやいきいきとした活動が生まれ、そのなかから子 どもたちは自らたくさんのことを学んでいくのです。 

子どもとの愛着 関係、信頼関係に基づいて、それを援助していく姿勢が、見守る保育の基礎になっているのです。

参考文献:MIMAMORU見守る保育 藤森平司著