保育士の配置基準問題

保育士の配置基準問題

保育園内での虐待の事件が明るみに出てから、保育士の配置基準(人数)が問題とよくニュースで流れています。

今現在の日本では担任制となり、基準では3歳児クラスは1人で20人、4歳児5歳児クラスは30人をみないといけません。
一方、まだ3歳から6歳の年齢だと発達に個人差があり、同じタイミングで同じ活動をすることが難しい時期です。

これだけ多くの人数に1人の先生という配置は、先生の負担が増します。
園児1人が何かトラブルに見舞われた場合には、先生はその園児につくことになり、他の園児たちからは目を離すことになります。

違った見方もできます。

発達に個人差があるということは、その園児の学び方や、実際にできること、興味や関心があることもそれぞれになるということを理解しておかないといけません。
一律に同じ学び方で、同じことをする場合は、必ず全員にとってそれがベストではないことを念頭に置いて進めないといけません。
するとその活動が自分に合っていない園児たちは途端に集中力を切らし、その活動を放棄するか、別の活動を要求します。
先生はクラスがコントロールできないと思い、焦りが生じ、園児たちに圧力をかけるようになります。
園児たちはその圧力に次第に順応し、例え自分の発達に合っていない活動でも応じるようになります。
園児と先生のストレスは高まる一方です。

園児も先生もお互いうまくいかないと思うようになり、極端な例だと今回のように虐待が起こることもあります。

では、今回上がっているように先生の人数を増やせばいいのでしょうか?

もし、ヨーロッパやオセアニアのように5歳児でも10人から15人に1人の担任になれば、先生の負担は減り、園児の発達のケアが細かくできるかもしれません。

しかし、見守る保育では園児たちの関わりを大切にしています。
逆に先生が増えすぎて、過干渉になり、園児同士の関わりを薄めることに寄与してしまうリスクも考えないといけません。

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