保育環境を考える際に特徴的なこととして、「設計」と「子ども集団」 という2つのポイントがあります。
「動線設計」とは、建物に対して人がどのように近づき、 入り、 その中で行動する のかを考えることです。
保育施設にはさまざまな年齢・発達の子どもや保育者、 保護者、地域の人など多様な人の動きがあります。
どのような保育をするのか、部屋の用途が時間によってどう変化していくの かということも考えながら、環境づくりをしていかなければなりません。
もうひとつ「子ども集団」についてですが、これが重要になってくるのは、地域社会や家庭の中に子ども集団がなくなってしまった現在、保育施設が唯一の子ども集団の形成機会であり、子ども自らが主体的に環境に関わり、子ども同士がいろいろな経験から学び合うことができるとい 視点を、私たちは常にもたなければなりません。
これからの保育環境の構成においては、単なるある遊び場の確保、多目的な空間といったこと以上に、「小集団から広がりのある人間関 係がつくれるような空間」という考え方が重要になってくるのです。
参考文献:MIMAMORU見守る保育 藤森平司著